死後の世界

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「でも天国居心地がいいからみんな留まりたくなるんじゃないの? また生まれ変わって苦労するなんて嫌になるんじゃないの?」 「天国といっても上には上があるからね」  確かに居心地は良い。でもそのうち魂は気付く。もっと素晴らしい天国があることに。魂を磨いて浄化すればもっと上の天国に行けるのだと。そしてそれが魂の目的だったということを思い出す。 「それに気が付いたらグループソウルの指導霊と話し合いが始まる。自分がもっと上に行くためには何が必要か。そしてそのためには誰の元に生まれどんな人生を送れば良いか。そして計画が出来たら……」 「生まれ変わるんだね」 「そう。魂は現状に満足しない。上昇志向なのよ」 「素晴らしい!」  しかし生まれてしまうと全てを忘れ、楽な方へと流れてしまう。なので何回も生まれ変わりが必要になる。でもそれも修行。回り道してこそ磨かれるのだ。 「さて、私も上昇しようかな」 「そうね。まず何をする?」 「え……」  さて何をしようか。 「道満……いや、清明の息子を成仏させる事、かな?」 「そうね。それが優先順位1位ね」 「そうなの?」 「そうなのじゃないでしょ! 若い男性に式神付けまくってるじゃない」 「え、でも実害はないみたいだし」 「何いってるの。あの式神は生贄にするための式神なのよ!」 「え!」
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