オカルト天気予報

出陣！

　小難しい本を延々と読んでいると……眠くなる。

「コーヒーでも飲まない？」
「だねー」

　コーヒーブレイクを入れる事になった。そして会話は当然のように特番の話になっていた。

「よくあんなに幽霊集めたね。全員テレビ局にいたの？」
「うん」
「ひ〜！　僕もうテレビ局行きたくない！」
「ミトテレビの幽霊はみんな成仏したから安心だよ」
「他のテレビ局もヨロ」

　思い出しただけで毛瀬は震え光にしがみついていた。

「セイラは道満の、いや清明の息子の考えも読めたの？」
「うん。ほほイタコさんが言っていた通りだよ」
「他にもあったの？」
「まあ良くある話よ。長く幽霊やってると悪霊に取り込まれちゃうっていう」
「やっぱり……」

　清明の息子は禁足地の悪霊に取り込まれているのだ。式神をばら撒いているのは悪霊の求めに応じているだけなのだろう。

「早く成仏させてあげなきゃ」
「満明(みつあき)を？」
「満明？」
「清明の息子よ。意識読んだから分かっちゃった」
「満明……」

　道満と清明の名前から一文字ずつ貰っている。何とも不憫だ。