出陣!

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「その満明って神社に連れて行かれたんだろ? 祈祷して神と崇められるんだろ? 成仏させちゃっていいのか?」  不思議そうに光が聞いてきたので私は説明した。元々神社の御神体でずっと子孫によって祀られてきた事。テレビ局は禁足地で主である悪霊が生贄を欲している事、その生贄の調達を道満がしてきた事。そして現在満明がその役をしようとしている事。 「え! あのテレビ局は禁足地!? 嫌だ、もうあのテレビ局行かない!」 「大丈夫だよ毛瀬。今は陰陽師様が結界張って守ってくれてるんだって」 「でも何でまた生贄を欲するようになったんだ?」 「それは今まで神社で鎮められていた満明の霊が表に出ちゃったからだと思う」 「何で表に出ちゃったんだ?」  チラリと毛瀬を見た。 「え? 僕?」 「そう、アンタが神社で祈ったから出てきちゃったみたいよ」 「え〜? 僕はただ神主さんを癒そうとしただけだよ〜」  毛瀬の祈りは強力過ぎる。眠れる荒神さえも起こしてしまうほどに。 「じゃ、じゃあその満明を僕のステッキで成仏させちゃおうか?」 「お、その手があった。やってみよう!」  そして私たちはセイラの車に乗り桜の神社へと向かった。勉強? そんなの全員すっかり忘れていた。
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