出陣!

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「そうそう、あの陰陽師野郎。すっかり神社の婿気取りだったな」  光は前から先輩が気に入らないらしい。光は前世では夫だったが年は親子ほど離れていた。きっと私の事は娘みたいに思っているのだろう。 「真面目というか、熱心というか」 「ど、ど、ど、どういう事?」  気になる。セイラと2人っきりなら細かい所まで突っ込みたい。でも光や毛瀬もいるので聞けない。 「だーねー。やっぱ女は女同士、ゆっくり話したいよね。じゃ、そうしようか」  セイラは光と毛瀬をジョニーズ事務所で無理矢理降ろした。そして女2人のドライブが始まった。 「で、どうなの? 先輩は桜が好きなの!?」  セイラには隠し事はできない。ならば単刀直入に聞いた方が話は早い。 「ふふ、先輩はね……。真面目ね」 「うん、それは知ってる。それで?」 「それだけよ。真面目で嘘はつかない。世界の平和を祈ってる。以上」 「以上って……」 「何か約束したの?」 「うん」 「だったらそうなんでしょ。信じてあげなさいよ。愛ちゃんが信じてあげなきゃ誰が信じてあげるの?」 「うん……」  信じたい、信じなきゃ。でも彼女ってわけじゃないし、ただ初詣の約束をしただけだ。
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