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秘書さんの話だと先輩は今弟子たちに試されている、ということになる。ならば今桜の所に行っているのは何かを解決するためで桜と一緒になるためではない……という事だろうか。
「桜さんはその事を知ってるんですか?」
「あー、他言無用よ。社長一味には絶対バレないようにしてちょうだい。局内では一切知らないフリをするのよ。私だって陰陽師一味だって事は極秘中の極秘なんだから」
「もしかして秘書さんは陰陽師様のスパイなんですか?」
「隠密と言って欲しいわね」
秘書とは世を忍ぶ仮の姿。その本性は、なんと! 敏腕陰陽師だったのだ! もしかするとメガネを外して髪をほどくと絶世の美女なのかもしれない。
「えー、そうだったんですか。えー」
「何よ。私の秘密を聞いたんだからあなたも秘密教えなさいよ」
「私の事なら社長に頼まれて調べたんじゃないんですか?」
「興信所が調べる程度はね。でも肝心な事が抜けてるのよ」
「肝心な事?」
「そう、恋愛事情が。調べてもなんにも出て来なかったのよ」
く……そりゃ今まで彼氏が出来たことなかったから出ようがない。悔しいが。
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