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「彼氏が出来たら一番に私に報告しなさい。親よりも親友よりも先にね」
「え!」
「私も陰陽師のはしくれ。占いは大得意なのよ」
「おお……ならば是非。っていうか、今占って欲しいくらいです」
「じゃあ占ってあげましょうか? そうね、とにかく信じなさい。それで上手く行くから」
「え!」
「私の占いは陰陽師様の次に当たるのよ」
それが本当に占いの答えなのか、それとも私が先輩を好きな事を知った上でのアドバイスなのか。だとしたら調査能力高すぎ!
どちらにしてもセイラと同じ答えだ。2人に言われたのならそうするしかない。
「まあ手出しするなっていうのは陰陽師関連の事だけで、あとは好きにすればいいわ。巷で起きてる式神事件とか。公安のお友だちに捜査協力頼まれてるんでしょ?」
「でもそれって陰陽師関連なんじゃ」
「そんなの知らないわ。私は陰陽師様と社長のいさかいが解決すればそれでいいんだから」
やっていいんだ。
「分かりました。そちらの邪魔にならないように頑張ります」
「そうしてちょうだい。さあ着いたわよ」
車はいつの間にか私のマンションの前に来ていた。私の事は全て調査済みなのだ。
「ありがとうございました」
「お疲れ様」
秘書さんの車のテールランプを見送り私は部屋に戻った。そしてすぐにリキリキに電話をした。式神事件は呑気な事件なんかじゃない、とんでもなく恐ろしい事件なんだと話した。本腰を入れて捜査をする必要がある。そうしないとたくさんの若者が生贄にされてしまう。そして不肖栗本愛、捜査に全面協力します! と。
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