オカルト天気予報

対策会議

「何か対策は考えたんですか？」
「はい。これまでは被害者といっても抱きつかれただけだったので、特に事件として扱ってはいませんでした。しかし式神を付けられ、将来的に生贄にされるとなれば放ってはおけません。被害に遭ったらすぐに警察に通報するようにとニュースやホームページ、広報で周知させるべく準備をしています」
「通報があったらどうするんですか？」
「警察庁指定の寺社に行ってもらいお祓いをして式神を外してもらいます」
「え〜、何それ。みんな怪しがって行かないよ、きっと」
「そうでしょうか……」
「そりゃそうでしょ。警察に通報したら寺へ行けって言われたなんて、おかしいと思いますよ。警察は特定の宗教を国民に押し付ける気か！　ってなりそう。それとも本当の事を市民に話すんですか？　抱きつかれた人はお祓いをしなきゃ生贄にされちゃいますよって」
「いやいや、そんな事を公にしたら町中パニックになってしまいます」
「ですよね」

　抱きつかれたらすぐに分かるし不快に思う。しかしそれがちょっとぶつかった時とか満員電車で触れ合ってしまった時に式神を付けられたとしても誰も不審に思わないだろう。だとしたら当然警察に被害を訴える事もしない。もしかしたら式神をつけられている人は結構いるのかもしれない。

「訴えた人だけお祓いをするのでは解決にならないと思います。何かもっと不特定多数の人が身を守れるものがあればいいんですけど……」

　しばしオカ班全員が考え込んだ。