約束

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 秘書さんは代行までする凄い陰陽師だったのだ。これはビックリ! とすると先代の叔父さんを陰陽師に育て上げたのは秘書さん!? 「え……その柳生さんが何で社長の秘書なんかに」 「伝説の陰陽師代行と語り継がれてはいるけど、僕も殆ど会った事がなかったんだ。その柳生さんは叔父さんが跡を継ぐとすぐに忽然と消えた。でも密かにひいお祖父さんから密命を受けていたらしい。あの土地を見張るようにと。僕も最近叔父さんから聞いたんだ」  最近……最近何かとミトテレビへ行く事が増えた先輩。それもこれも桜と社長が親戚だからだ。 「桜さんを弟子にしたのは叔父さんですよね?」 「……うん」 「何か考えがあっての事なんでしょうね」 「……」  先輩は答えなかったが真相は知っているようだ。 「……先輩と桜さんを一緒にして清明と道満の和解をさせる、とか?」  聞いちゃった! 一番気になる事聞いちゃった! 「愛ちゃん……」 「え……」  先輩の手が、私の、頬に触れた。あれ、私泣いてる?  
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