オカルト天気予報

進展

「大型の台風が近づいて来ています。このまま進むと日本縦断しそうです。でも進む速度は早いのであっという間に通過するはずです。え？　他局では停滞するって言ってました？　いえいえ、これは愛の予言です。信じる者は救われる。晴れ女愛を信じてください！」

　台風なんてなんのその。私にはミズノコが付いてるんだもん。ミズノコがそう言ってたから大丈夫だもん。

「愛ちゃん、あんな事言っちゃって大丈夫？」

　番組が終わると雨宮プロデューサーが心配そうな顔で近付いて来た。

「任せてください。信じる者は救われる」
「え〜、本当？」

　ええい、うるさい。信じる者は救われるんだ。私は信じる人の言うことは信じる事にしたのだ。ミズノコも先輩も。だってこんなに短期間のうちに「信じろ」と何人にも言われたのだ。これは偶然ではない。もう迷わない。私は信じる。

　この前先輩を追いかけて護符を書いてもらった。こっ恥ずかしかったが世のため人のためだ。これを逃したらいつになるか分からないと平静をよそおい書いてもらった。そしたら、なな何と！　先輩は私にも護符を書いてくれた。

「しばらくは何かあってもすぐに行けないと思うから、これはお守りだよ。僕の代わりに愛ちゃんを守ってくれると思うよ」

　私は家に帰ってすぐにお守り袋を作った。リキリキみたいに上手には作れなかったけど何とか形にはなった。

　そして今日も身に付けている。先輩と一緒にいるみたいで安心できる。