ホンボシ

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ホンボシ

 テストが終わった。まあそこそこ出来た、と思う。実は密かにセイラが教えてくれたのだ。 「この教授の頭の中は〇〇でいっぱい。こっちの教授の頭の中は△△でいっぱい。でもテストに出るとは限らないよ〜」  やんわりと濁して教えてくれた。その通りに出た。出たけど「〇〇について考えを述べよ」とか「△△の時代背景を述べよ」とかの問題だったので上手く書けたのかは不安が残る。  しかし終わったのだ! これから暫くは自由だ〜! 「お迎えに上がりました」  黒塗りの車がマンションに横付けされたのだった……。  毎度おなじみ警察庁。その奥の方の古い庁舎へハム男に連行されやって来た。 「愛ちゃん、アプリはどうですか?」  おい班長、いつから私を「愛ちゃん」と呼ぶようになったのだ。馴れ馴れしいぞ。 「ええまあ、キャッシュレス決済って便利ですね」 「え? 今まで使ってなかったんですか? え〜?」  く、悔しい。
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