ホンボシ

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「ホンボシの居所は分かっています。今は封印され神社で祀られています。なので本来でしたら悪さはしないはず。でも今も生贄を捧げようとする輩がいる。ソイツはホンボシが御神体であると知っている人物……」 「その神社が怪しいなあ」  怪しいどころの話ではない。黒も黒、腹の中まで真っ黒だ。多分。 「ただ、その伝承を知っている何者かが自分の欲を叶えるためにやっているとも考えられますね」  ハム男、桜を擁護する気か? 「まあそれにしたって御神体をしっかり鎮めていない神社にも落ち度はありますね。それにグルという事も考えられる」  そうだそうだ。言ってやれリキリキ。 「本当のところはどうなのか、確かめる必要がありますね」  オカ班一同の視線が私に注がれた。 「……分かりました。霊視してみます」  私は両手のひらを上に向け開いた。 「玉よいでよ……」  私の手のひらに龍玉が現れた。 「お〜〜!」  オカ班の中の数人は玉が視えたようだ。順調に修行の成果が出ているようで頼もしい。 「愛ちゃんの手のひらが光ってるね」 「お、リキリキも視えるようになったね」 「ちょっとだけだけどね」  リキリキは興味深そうに私の手のひらを覗き込んだ。
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