ホンボシ

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「そうか……そんなに強固な結界が張ってあるという事は外部の者の犯行という線は薄いですね。じゃあやっぱり神社が怪しいですね」  オカ班の意見はまとまった。神社を調べる必要がある、と。 「その玉で神社の家族も視えますか?」 「え……」  視えるに決まっている。視たくて視たくてたまらなかったがずっと我慢してきた。先輩がどんな生活をしているのか、よもや桜と……なんて辛い想像もしてきた。でもしなかった。だって。 「それプライバシー侵害じゃないんですか? 個人情報保護法違反です。盗聴って証拠にならないんじゃないんですか?」 「いや、盗聴でも十分に証拠能力はある」  班長が余裕の表情を見せた。しかしリキリキがおずおずと手を上げ発言した。 「不法侵入で仕掛けた盗聴器によるデータは証拠にならないと、法学部に通う由……友人が言ってました」  由美から知識を得ているようだ。由美、ナイス内助の功。 「確かにそこまでやったら盗聴や盗撮と同じになってしまいます。やはり警察らしく、正々堂々と聞き込みした方が良いと思います」  ハム男が爽やかに正々堂々と言った。
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