ホンボシ

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 今まで上から目線で見下していたがここは警察庁、プロの集団なのだ。 「では私は何をすればいいんでしょうか」 「神社の娘と仲良くなって内部の様子を探ってもらいたい」 「桜さんと仲良く!?」 「と最初は思ってたんですが、どうも無理みたいですね」  私と桜との関係は既に調査済みなのか。さすが公安……。 「愛ちゃんはアプリの宣伝と、あと町で式神を付けた人を見かけたら取ってあげてください。あと何か分かったら教えてください」 「それだけでいいんですか?」 「まあ取り敢えず。民間人の愛ちゃんに危ない仕事をさせるわけにはいきませんから」  班長はにっこり笑った。  帰りも黒塗りの車でハム男が送ってくれた。 「オカ班は何か計画を立ててるんですか? なんて、愚問ですよね」 「まあ組織なので常に計画通りに動いてます」 「怨霊対策も考えてるんですよね? どんな対策考えてるんですか?」 「あんまり聞かないでください。つい答えそうになっちゃいますから」  ハム男がクスクス笑った。さすがにハム男も公安の人間。簡単に部外者の私には教えてくれない。 「でも大丈夫なんですか? 皆さんの霊的能力じゃ怨霊退治は無理なんじゃ……」 「修行頑張ります」  余裕の笑みだった。何か対策はあるのだろう。でも絶対に教えてくれそうにない。民間人の私を巻き込みたくないのは分かる。でも仲間外れにされたみたいで寂しいじゃないか。
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