ホンボシ

15/15

214人が本棚に入れています
本棚に追加
/468ページ
「そして負のエネルギーを持ったままの不浄な霊は満明の霊に引き寄せられ霊団となります。このままだとどんどん霊団は大きくなり恐ろしい怨霊になるでしょう」  せっかく地の主は陰陽師が片付けたのに、また新たな怨霊が生まれようとしているとは。 「私から社長に本当の事を話しましょうか? そうすれば生贄を捧げるのをやめてくれるかもしれません」 「それは……自分の父親が母親を死に至らしめ、その罪を陰陽師に被せたなて。そんな事を知ったら息子はどうなるでしょう」  確かにそんな事を知ったら正気でいられるわけがない。私だったら精神が壊れてしまうかもしれない。それに生贄を捧げるのをやめたとしても、満明が恨みを抱いている限り霊団は成長していく。満明を放置しておくわけにはいかない。 「そうですね。とても話せませんね。分かりました。私が満明を成仏させます」 「お願いします。愛さんだけが頼りです。よろしくお願いします……」  華さんは深々とお辞儀をし、そのまま消えて行った。  よし、ホンボシは満明だ。成仏させてやる!
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

214人が本棚に入れています
本棚に追加