決戦の金曜日

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「いいから帰っ……」 「愛ちゃ〜ん、仕事終わったの?」 「セイラ!」  何故ここにセイラが? 「お疲れ〜」 「光!」  光まで。何故だ? 「なに? オタクたち付き合ってるの?」 「違うわよ〜。今度一緒のドラマ出るから番宣で来てたのよ」 「おー! セイラ女優デビュー?」 「今までだってチョコチョコやってたわよ。でも今度は光の相手役なの! ねっ」  光にいたずらっぽく寄り添うセイラ。 「ラブシーンとかあるの?」 「ないない。光が探偵で私が助手。それだけの関係よ」  おどけて肩をすくめて見せるセイラ。でもヒロイン役とは出世したものだ。 「せっかく集まってるんだからご飯でも行く?」 「……私は行く所があるから」 「男か?」  光までそんな事を言い出すとは。よっぽど私は飢えているように見えるらしい。気をつけねば。 「じゃあ一緒に行くよ。みんなで行った方がいいでしょ?」  セイラは私の考えを読んでそう言ってくれた。でもみんなを巻き添えにしたくない。かなり危険だと思う。
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