決戦の金曜日

11/21
前へ
/468ページ
次へ
「なに、これ……」 「え、どうしたの? 何かいるの? まだいるの?」  毛瀬は恐怖のあまり再びステッキを振り回した。ステッキからのビームが当たるたびに満明は消滅した。が、またいつの間にか新しい満明が現れた。私も光もセイラもみんながステッキを振るった。しかし消しても消しても再び現れる。全く数は減らない。逆に増えている。 「もしかして式神かも」 「式神? じゃあこいつらは偽物って事か?」 「うん。何処かに本体がいるはず。そいつを倒さなきゃいつまで経っても終わらない」  どいつもこいつも同じ顔をしている。みんな禍々しい。どうすれば見分けられるのだろうか。 「愛、コイツが本物だ!」 「キュ〜ちゃん!」  キユ〜ちゃんが1人の満明を指さした。 (妖魔退散!)  満明がキュ〜ちゃんに向かって護符の束を放った。護符はキュ〜ちゃんの全身を覆い尽くした。 「キュ〜ちゃん!」 「お兄ちゃん!」
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

216人が本棚に入れています
本棚に追加