決戦の金曜日

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 パー子がすかさずキュ〜ちゃんに駆け寄り護符を外そうとした。 「キャッ!」  妖魔退散の呪が掛けられている護符に触れた瞬間パー子の手に火花が散った。それでもパー子は必死で護符を外そうとした。そのたび火花が散りパー子の手は真赤にただれた。 「パー子やめなさい!」 「やだ! お兄ちゃん助けなきゃ!」 「パー子じゃ無理よ。私が……」  キュ〜ちゃんは護符に覆い尽くされミイラのようになっている。苦しそうにのたうち回っている。しかし文字通り手も足も出ない。だんだん動きが弱くなってきている。早く助けなければ!  私は急いでキュ〜ちゃんに近づこうとした。しかし式神満明がいきなり現れ襲いかかってきた。ステッキで撃退する。しかしすぐに新たな式神満明が襲いかかってくる。きりがない。どうしよう……。 「愛、キュ〜ちゃんと雑魚は俺たちに任せて本体をやっつけろ!」 「光!」  3人はキュ〜ちゃんとパー子を中心に背中合わせになった。そしてそれぞれ3方向へ向かってステッキを振るった。  みんな必死に戦ってくれている。私が本体を倒さなければ終わらない戦いだ。落ち着かなきゃ。  私は本体の満明を睨みつけステッキを構えた。
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