決戦の金曜日

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「まあ何にしても、良かったね」 「うん。私1人じゃ成仏させられなかった。みんなに来てもらって良かった。来てくれてありがとう」 「な〜に言ってんのよ!」 「うげっ!」  セイラが私の背中を叩いた。あれだけ腕を使っていたのにまだそんな力が残っていたなんて。トラピスト星人恐るべし。 「おい、そんなに大声出して大丈夫か? あいつら起きちまうぞ」  光が社務所をチラリと見た。確かに。大乱闘したのだ。かなりうるさかったはずだ。それなのに気づかれなかったのだろうか。そんなに熟睡しているのか? 「あ、日の出!」  セイラが空を指さした。生まれたての眩しい太陽が空へと昇り始めていた。それと同時に境内の空気が一変した。夜の禍々しい空気は一掃され、神々しい気が充満してきた。 「さて、帰ろうか」  ん? 何か忘れてる。何だっけ……。 「あっ! キュ〜ちゃん!!」  私とした事が! キュ〜ちゃんを忘れるなんて! 「キュ〜ちゃんキュ〜ちゃん……キュ〜ちゃん!?」  キュ〜ちゃんの体にはもう護符は無かった。満明の成仏とともに全て消え失せた。しかしキュ〜ちゃんはパー子の腕の中でぐったりしていた。既に虫の息だった。
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