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「叔父さんの占いなんだ」  我が一族の迷えるご先祖様が、やっと行くべき所へ上がれる。そう占断が下ったそうだ。叔父さんにはそれが何の事かすぐに分かった。日時も占いで分かった。あとはその時邪魔になる桜親子を神社から離す必要がある。 「それで逮捕したっていうんですか? 罪状は?」 「脱税です」 「脱税!? 桜が?」  まさか桜親子がそんな重罪を犯していたとは……。 「まあ小さな個人経営の神社なら調べれば何かしら出てくるものです。素人ですからつけ忘れとか勘違いとか」 「そんなので逮捕ですか?」 「普通だったら口頭注意で終わりです。でも親子を神社から離すためです。親子がいたら満明は成仏させられなかったでしょ?」  ハム男が平然と言ってのけた。桜親子を神社から離すために公安が動くとは。さぞびっくりした事だろう。 「じゃあオカ班は私たちが神社に来る日を予め知っていたって事ですか?」 「陰陽師様の占いは確かですから」 「陰陽師様の占いをオカ班が知ってたって事は、まさか先輩がスパイ?」 「スパイだなんて。隠密だよ」  秘書さんと同じ事言ってる〜。
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