新しい神様

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新しい神様

 光とセイラはハム男に送ってもらう事になった。毛瀬は自分の車で帰宅する。  私は、先輩が手伝って欲しい事があるというので神社に残る事になった。 「毛瀬、運転気をつけてよ! 光! セイラ! お疲れ様、ありがとう!」  走り去る車を見送る。一緒に戦った戦友たちよ。今夜の事は一生忘れない。年を取ったらお茶を飲みながら思い出話しようね。 「さて、先輩。何を手伝えばいいんですか?」 「うん。実はね……ちょっと待ってて」  先輩は社務所に走って行った。鍵をガチャガチャさせて中に入った。合鍵を持っているのか。何か面白くない。わ、私にだって合鍵あるもんね。誰にも渡してないからキーホルダーにはマンションの鍵3つ付いてるんだもんね。  渡したら、先輩どんな顔するだろう……。 「お待たせ〜!」  妄想をしていたらあっという間に時間が過ぎていた。先輩は白衣と袴の神職姿に着替えていた。 「朝のお勤めですか?」 「う〜ん、したいのは山々なんだけど。何ぶんにも御神体が成仏しちゃったから」 「え? だって本当の御神体、ひいお祖父さんの式神がいるじゃないですか」 「それがね、殆ど機能してないみたいなんだよ」 「え!?」
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