新しい神様

3/5
前へ
/468ページ
次へ
「おっと。御神体早く安置しなきゃ」  先輩は本殿に向かって箱を持って歩き出した。本殿の中は神主、またはその代理しか入る事も見る事も許されない。なので私は手を合わせ深くお辞儀をしたまま先輩の帰りを待った。  しばらく頭を下げていると、とても神聖な風が本殿から吹いてくるのが分かった。安置されたようだ。私は一層深く頭を下げた。 「終わったよ」  先輩の声を合図に私は頭を上げた。 「うわ……」  本殿か輝いている。神社の敷地いっぱいに神聖な場が出来ている。そして本殿から一直線に空へと光の柱が伸びていた。見上げて見たが雲よりまだ上、きっと天界に繋がっているのだろう。 「先輩凄いてす! 凄過ぎて……」  あまりの神々しさに涙が溢れ出てきた。 「良かった。僕は視えないからちゃんと安置出来たのか確認できない。だから愛ちゃんに確認してもらいたくて残ってもらったんだ」 「バッチリです。叔父さん凄いですね」 「何かモーターみたいな式神なんだって。敷地内の空気を清浄にして、お参りに来た人の願いを天に届けるシステムを搭載してるって言ってた」 「何ですかそれ。叔父さん凄過ぎ!」
/468ページ

最初のコメントを投稿しよう!

215人が本棚に入れています
本棚に追加