勇者 由美

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「愛はこれからどうするの?」 「社長と話をしてみる」 「そんな事してお天気お姉さんクビになったらどうするの?」 「そしたら……他のテレビ局受ける」 「あくまでお天気お姉さんなんだね」 「地元のローカル局でもいいし。それだったら家から通えるし」 「私も弁護士になったら家に帰るつもりだから、それがいいよ。そうすれば近くにいられるじゃん」 「リキリキはどうするの? 警察庁勤務だから東京だよ」 「あ、忘れてた」  リキリキ哀れなり。一緒に暮らしてるのに忘れられるとは。 「ま、それはずっと向こうの話。来年司法試験に合格したとしても研修が1年間ある。それが終わったらまた試験があって、それに合格して晴れて弁護士になれるの」 「え! 司法試験に合格すれば弁護士になれるんじゃないの?」 「簡単にはなれないのよ」  由美の目指すものは恐ろしく険しい。4足のワラジどころではなさそうだ。 「頑張ってね」 「おう。愛もな」 「おう!」  私と由美はガッシリと手を握りあった。由美と話をするとやる気が爆上がりする。よし、私も頑張ろう! 社長を説得するんだ!
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