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ならば、よし。どうせクビなんだ。聞くならご機嫌の良い今しかない。
「桜さんが神社の跡継ぎになるなら安心ですね」
「本当はテレビ局お抱えの拝み屋に専念してもらいたかったんだが残念だ」
「桜さん霊能力強いですからね」
「そうなのか？ 私は全く霊感がないから分からないんだがね。同業者が言うならそうなんだろう。ハハハハハ」
「それに綺麗ですし」
「そうなんだよ。テレビ映りもいいから絶対人気者になれると思うんだよ。ハハハハハ」
さて、身内を持ち上げて気持ちよくさせた所で。
「社長は霊感ないんですか？」
「ああ、今まで何も視たことも聞いたこともない、ハハハハハ」
「でも祖先は陰陽師じゃないですか」
「らしいな。だが桜が修行にいくまで陰陽師なんて怪しいインチキ集団くらいにしか思ってなかったよ、ハハハハハ」
秘書さんは平静を装おっていた。しかしオーラが一瞬赤く燃え上がっていた。
「では陰陽師の力は信じていないんですか？」
「ただのパフォーマンス集団だと思ってたよ。桜が生まれるまで幽霊なんて信じてなかったからな。社員たちがあそこのスタジオで出たとか噂するのも集団ヒステリーくらいにしか思ってなかった。
しかし桜がまだ幼い頃テレビ局に見学に来て”あそこに男の人が寝てるのよ”とか”妖怪アメフラシがいるよ”なんて言い出してな。それから信じるようになったんだよ。ハハハハハ」
社長は幽霊否定派？
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