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「でも神様は信じてらっしゃるんですよね？」
「神社の家系だから勿論、と言いたい所だが、私は全く信じてなかった。人々の心の拠り所だくらいにしかね。いやあ本家に生まれなくて良かったよ。神様信じてないのに神主になれなんて言われても困るからなぁ。ハハハハハ」
何と神様も信じていない。
「じゃあこの部屋にある仏像とかは？」
「これか？ これは美術品だ。こんな仕事をしていると矢鱈勧められるんだよ。テレビ局は幽霊が集まりやすいとか、儲かりますよ、とか。ハハハハハ」
美術品……。せっかくの仏像も魂入れしてないから空っぽだったんだ。なるほど。ならば陰陽師様を恨む理由は？ 華さんの仇討ちの真意は？
「あの……この前イタコさんとお話をされましたよね？」
「ああ。楽しかったよ」
「どんなお話を？」
鮪子さんからは社長は泣きっぱなしだと言う事しか聞いていない。
「そうだな……。私は幼い頃母を亡くしたんだ。いや、今の母ではなく産みの母を……」
それまでご機嫌だった社長がしんみりとした顔になった。
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