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「もしもし……」
『もしもし愛ちゃん?』
「はい」
電話が遠くに感じる。もう東京にはいないのだ。でも桜と一緒にいるんじゃないなら外国だろうが何処だっていい。
『どうしてるかなと思って。もしかして僕が神社を出てった事で何かあったかと思って。神社と愛ちゃんの会社の社長さん親戚なんだよね』
「ああ、夜のお天気キャスター今年度いっぱいて卒業になりました」
『うわっ、ゴメン! 僕のせいだね』
「でも4月から朝のお天気キャスターに決まりました〜」
『え、そうなの? 辞めさせられるわけじゃないんだ。良かった〜』
心配してくれてたんだ。私がテレビ局に勤めてる事で神社では遠慮してたのかもしれない。
「でも心霊担当は終了です。後任は桜さんに決まりました」
『桜さんが……そう』
ちょっと気まずそうな先輩。
「桜さんの家に入る時、後継者になる的な事で入ったんですか?」
『ううん、最初は桜さんと一緒に満明の封印をしっかりさせて怒りを鎮める祈祷をするって事で神社に入ったんだよ。でもだんだんこのまま跡取りとしてずっといて欲しい的な事はいわれていたんだ』
「でも御神体の交換があったからハッキリ断らなかったって事ですか?」
『うん……。気を持たせちゃったと思うんだ。悪い事しちゃったよ。怒ってるだろうな』
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