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『その人はね、雲の上の人なんだ』
「え……?」
『お茶の間の人気者。有名アイドルとも仲が良くて、カッコいい人たちに囲まれてる。僕みたいな地味な男は相手にされないと思うんだ』
え……。
『でも可愛くて放っておけなくて。……初詣の約束を取り付けるのが精一杯なんだ』
胸が熱い。頬も熱い。手も足も全部熱い。先輩何言ってるの? 何言ってくれてるの?
『あ、聞かなかった事にしておいてね。恥ずかしいから。じゃあ仕事頑張ってね』
いきなり通話が切れた。ちょ、ちょっと待って。聞かなかった事になんてできるわけないじゃん!
お茶の間の人気者……私じゃないよね? 有名アイドルとも仲良くて……光の事? 初詣の約束……。
いやいやいや。ハッキリ言ってもらうまでは期待してはいけない。でも、でもどう考えても……。
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