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私が美香先輩と旧家とのお喋りに花を咲かせている頃ーー。
「住職は相変わらずお若いですね。化粧品は何使ってるんですか?」
「最近開発されたエイジングケアなんですよ。効いてる気がしてたんですけど、分かります?」
「分かります分かります。どこのメーカーですか? 私も使いたいわ」
お母さんと住職もお喋りに花を咲かせていた。そして由美は……。
「お嬢様、紅茶でございます」
「うん、いい茶葉ね」
「ヒマラヤから取り寄せたダージリンでございます」
「淹れ方も最高よ」
「お褒めにあずかり光栄でございます」
住職の執事たちとお嬢様ごっこをしていた。と、そこへ。
「遅くなって申し訳ありません!」
「柿沼〜〜!!」
私と由美が同時に叫んだ。私が引退した後オカ研の部長を引き継いだ柿沼だった。
「久しぶりー! 今何してるの?」
「地元の大学で経営を学んでるんです」
「そして私の会社を手伝ってもらってるのよ」
「住職の会社?」
「うん。不動産会社。修行させてもらってるんです」
「ちゃんとお給料貰ってるの?」
高校の時は家族揃って回転寿司をご馳走してもらいアルバイト代誤魔化されていたっけ。
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