初詣でーと♪

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初詣でーと♪

 先輩の運転する車に乗るのは2回目だ。大学の入試の時に送り迎えしてもらって以来だ。あの時は自動運転だったので2人で居眠りしてしまった。今日の先輩はハンドルを握っている。真剣な眼差しに頼もしさを感じる。 「愛ちゃん寒くない? ヒーター強くしようか?」 「大丈夫です」  寒いどころか暑い。これは先輩と距離が近いせい? 「暑かったらコート脱いで後ろに置いておくといいよ」  コートのせいだったのか。 「ところで……お礼の電話したんですか? 桜さんに」  あくまでさり気なく、メチャ気になっでいた事を聞いた。 「手紙を送ったよ」 「手紙?」 「お菓子と一緒に。皆さんで食べて下さいって、神主様宛に」  なるほど。それなら桜1人へのお礼じゃなくて神社へのお礼ということになる。他人行儀ではあるが礼儀にはかなっている。 「もしかして毛筆ですか?」 「勿論。最大級の礼儀を払ったつもりだよ」 「さすが先輩!」  そんな話をしていると神社についた。我が県の一の宮だ。小学生の時社会科見学で来た以来だ。
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