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「やっぱり一の宮がいいかなと思って」
先輩の気合いが感じられる。初めてのデートは一の宮で……。なんて。
大きい神社なので中々駐車場が見つからない。何処も満車だ。駐車場待ちで渋滞もしている。
正直イライラしてきた。チラリと先輩を見る。先輩は相変わらず穏やかだ。
「わ〜見て。あんな小さい子が着物着てる。可愛いね。あっちは破魔矢持ってるね。僕も買おうかな……」
人間観察を楽しんでいるようだ。まあ、先輩と2人っきり。狭い空間にいる事を楽しむとしよう。
「わー、赤ちゃん抱いてますよ。私も赤ちゃん欲しいなー」
「え……」
「あ……」
何となく口を閉ざし赤くなる2人だった。
ようやく駐車場に車を停める事ができ参拝へと向かう。物凄い人だ。
「先輩……! 先輩〜!」
「愛ちゃん、あれ、どこ?」
はぐれてしまった! な〜んていっても大丈夫。私ならすぐに先輩を見つけられる。先輩のオーラならすぐに分かる。そして大きなキツネの尻尾もゆらゆら輝いている。
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