木目込人形

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 こんなの私に寄越さなくても神社やお寺に持って行ってお祓いかお焚き上げしてもらえばいいのに。  その時スマホが鳴った。光からだった。 『どう? 少しは慣れた?』 「うわ、社長と同じ事言ってる」 『お、凄いじゃん。もう社長と会ったの?』 「だって私、社長から特命受けてるんだもん」  私は光に特命の事を話した。 『そっか。局内には愛の能力の事を知ってる人間結構いるからな』 「うん。でも私がキャスターに採用されたのは能力があるからだけみたい。勉強やレッスンは意味なかったのかも」 『霊能力も能力じゃん。テレビ業界は人の持ってない能力を持ってるヤツが生き残れるんだ』  光なんて能力の塊じゃん。顔もスタイルも頭も良い。歌やダンス、演技力もある。ついでに霊的能力もある。そりゃトップになるわけだ。 『例え優秀な霊能力者でも雰囲気暗かったらキャスターになれないし。愛なら霊能力なくてもキャスターになれたと思うよ』 「……そうかな」
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