1.それでも、あなたが好き。だから……

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アイツがいる、いないにも関わらず、結局私はいじめのターゲットになってしまった。 今度の理由は分からない。 けれど、いじめなんていうものは、そういうものなのかもしれない。 それに気づいたのは、理由もなく始まったいじめが、理由もなく終わったから。 まるで一過性の台風のように、その時だけやってきて、今まで培ってきたものを全て壊す。 一生消えない傷を残す。 それが、中学時代に受けた私のイジメだった。 その時、私を支えてくれたのは、アイツの 「琴莉、一緒に学校行こう」 と優しく呼んでくれる声。 その声があったから、私はどうにか生きてこられた。 アイツの顔は、その頃にはもう忘れてしまっていたけれど。 そして私が、次にアイツと会ったのは、私の高校入学式の日だった。 アイツが、戻ってきたのだ。 でも、アイツはますます、私の知らないアイツになっていた。
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