1.それでも、あなたが好き。だから……

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俺の、人生最初の記憶には、お前がいた。 俺がお前より、半年だけ先に生まれた。 たった半年だと大人たちは言ったが、俺にとっては半年はとても大きい。 「ナオくん」 とぴよぴよと可愛く鳴きながら、俺によたよた歩いてくる姿が可愛くて仕方がなかった。 この子は、俺が守るんだ。 そう決意してからは、親にもことあるごとに 「琴莉ちゃんを守るんだ」 と宣言していた。 親たちは、そんな俺の決意をクスクス笑いながら 「はいはい。琴ちゃんに嫌われないようにしないとね」 とからかってきた。 そのたびに、俺は 「本気だぞ!俺は琴ちゃんを守るんだ!!」 と、親に買ってもらった戦隊モノのおもちゃを振り回した。 この時の俺は、悪い敵が来たらやっつける、という単純なことしか考えられてなかった。 まさか、俺が琴莉を傷つける敵になる日が来るなんて、夢にも思わなかった。
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