1.それでも、あなたが好き。だから……

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1年間、長かった。 琴莉が、俺と同じ小学校に入学してきた。 一緒に学校に行けるようになって、俺は嬉しかった。 だけど、このままだと1年生の教室まで一緒に行ってしまうであろうと親が考えたのか、琴莉の入学前に、母親からこう言われていた。 「琴ちゃんとは、玄関でバイバイしなさい。良いわね」 何で?と聞くと、決まって母親は俺にこう言ってくる。 「だって、あなたは2年生で、琴ちゃんは1年生なのよ。当然でしょう?」 何が当然なのか俺には分からなかった。けれど最後にはいつも 「あなたがいつも一緒にいるせいで、琴ちゃんにお友達ができなかったらどうするの?」 と、怒られた。 本当は、琴莉には俺以外の友達なんかいなくていいと思っていたけれど、琴莉が俺のせいで泣くのも嫌だった。 だから、学校にいる間は、1年生に琴莉を譲ってあげてやることにした。 それなのに。 1年生の奴らは、俺が見てない間に琴莉をいじめていやがった。
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