1.それでも、あなたが好き。だから……

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「どういうことだ?」 俺は聞いた。 そいつは、俺を睨みつけながら、こう吠えた。 「琴莉ちゃんと松井先輩が仲良いから、女子の先輩たちが琴莉ちゃんに嫌がらせをするんだ」 「嫌がらせ……?」 「そんなことも知らないで、よく幼馴染って言えますね」 生意気なやつだ、と思った。 しかも、俺以外に、琴莉と名前で呼ぶ男がいることが、とても許せなくてイライラした。 「お前、琴莉のなんなんだよ」 「友達ですけど」 即答された。 でも、友達と強く念を押すように言ってきた口調は、気になった。 「友達なら、何だって言うんだよ」 「琴莉ちゃんと一緒に、楽しいことができる仲間です」 そんなの、俺だってそうだ。 琴莉と俺は、いつも一緒にいた。 これからも、一緒にいる。 そうだ。 それは変わらない。 「仲間が何だって言うんだ」 俺がそう言うと、そいつは「先輩はバカなんですか」と言ってきた。 「お前……上の学年に向かって口の聞き方気をつけろよ」 俺は、そいつを力任せに突き飛ばした。 そいつは、大きな音を立てて尻餅をついた。 その姿は面白かったけど、その後の言葉に、俺の頭が殴られた。 「琴莉ちゃんは、先輩と離れた方が楽しいって言ってますよ」
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