1.それでも、あなたが好き。だから……

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「……は?」 「嘘だと思うなら、琴莉ちゃんに聞いてみましょうか?」 そいつは、俺の返事を待たずに、琴莉にまた近づこうとした。 「おい!……」 俺は、そいつの手首を掴もうとしたが、するりと、そいつは抜けていった。 「琴莉ちゃん」 そいつが話しかける。 まるで、俺に自分の方が親しげだと、言いたげに。 「何?」 琴莉が、そいつを見る。 ほら、見ろよ。 不思議そうな顔をしてるじゃないか。 俺が話しかける時よりずっと、鈍い反応だ。 そう思っていたのに。 「琴莉ちゃん。昨日のアレ、やばくなかった?」 「わかるー!!!エモい!!」 ……何でだよ……。 どうしてだよ!? 俺には、そんな風に、歯が見えるほど大口開けて笑った顔なんか見せたことないのに。 そいつにはそんな顔、見せるのかよ。
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