1.それでも、あなたが好き。だから……

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朝から晩まで、話したくもない女子たちに囲まれる。 女子たちから求められる言葉をおうむ返しして、求められる行動を提供する。 女子たちが求めるような表情を出す。 たった、それだけだった。 でも、それには俺の時間が、絶対必要だったのだ。 俺が選んだ方法は、俺自身が琴莉と会う時間を、チャンスを、どんどん奪っていった。 琴莉の姿は、琴莉が部屋にいる時、琴莉がカーテンを閉めるまでの短い間だけしか、見ることができなくなっていた。 俺の後をついていた頃より、ずっと身長が伸びている。 髪型は、短くなっていた。 いつ切ったかは知っている。 ずっと、見ていたから。 声はかけられなくても、琴莉の変化を見守ることができるのは、俺だけの特権だと思っていたし、準備もしておきたかった。 琴莉にまた話しかけられる日が来る時のために。 だけど、悠長に待つことが出来るほど、現実は俺に優しくなかった。 いつしか琴莉の部屋は、ずっとカーテンが閉めっぱなしになってしまった。 そして……俺はといえば、アメリカ行きが決まってしまった。 頭が追いつかない程の急展開だった。
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