1.それでも、あなたが好き。だから……

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それからすぐ、俺はアメリカへ行った。 家族に連れられて。 琴莉には何の弁解もできないまま。 アメリカでの生活は、正直言えばとてもキツかった。 言葉は通じない。 文化は分からない。 俺が知っている常識が通じない。 辛かった。 乗り越えられるか不安だった。 分からないことが多すぎる。 でも1番辛かったのは、最後の琴莉の顔を思い出す時。 どうして、あんな顔をさせてしまったのかと、毎晩俺は悔しくて眠れなかった。 眠れない夜の中で、必死にその顔を忘れようとした結果、皮肉にも日常会話レベルの英語はマスターすることができた。 そのおかげで、友達はできた。 新しいことも覚えた。 彼らは俺に、自分で選ぶことの楽しさを教えてくれた。 ヤンチャをする面白さを教えてくれた。 世界が変わった気がした。 女子たちの動きを気にしなくてもよかった。 俺の行動1つでは、決して誰かが傷つくことはなかった。 日本にいる時よりも、自由だと思った。 だからこそ思ってしまう。 どうしてここに、琴莉はいないんだろう。
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