1.それでも、あなたが好き。だから……

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「とにかく、俺は大丈夫だから」 「そう?ならいいけど……最近日本も物騒ね……」 そのようにブツブツ小声で言い始めたと思ったら 「ねえ、ナオくん」 「何」 「あなた、高校もこっちに通いなさい」 「は!?」 いきなり何を言い出す。 「そうよ。ちょうどナオくんこっちにも馴染んできたし。このままこっちの学校で英語しっかり勉強してきなさい」 「…………」 英語は、あくまでコミュニケーションのツールだ。 できたところですごいわけではない。 できないと、何も始まらない。 それが、その言語を母国語とする国で生きていくルールだ。 買い物以外は、日本人コミュニティでしかコミュニケーションを取らない母親には、きっとこの感覚は分からないのかもしれない。 そして、俺も教えられた。
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