1.それでも、あなたが好き。だから……

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本当に仲良くなりたいなら、距離は取るべきではなかったと。 影響を与えられる範囲に、ちゃんと存在し続けるべきだったと。 そして、それはやはり正しかったのではないか……と思う。 俺は琴莉を守りたかったから離れた。 俺のせいで傷つくと思ったから。 でも結局、離れても変わらなかったどころか、俺が知らないところで琴莉はまた傷ついていた。 これなら、まだ俺が近くにいた方がずっといい。 何かあった時に、今度こそ俺が守れるように。 「母さん」 「何」 俺は、母親に余計なことを考えさせないように、強い口調で釘を刺した。 「俺は、日本に帰ってやりたいことがあるんだ。だから絶対に、日本に帰る」 琴莉の側に、帰るんだ。 そして今度こそ、琴莉は俺が……。
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