2.バレンタインの悲劇

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それは、もう間も無くバレンタインが終わる、夜の9時すぎのこと。 琴莉に、バレンタインの間接触することすらできなかったことを、落ち込みながら、面白くもないパーティーで適当に時間潰しをしていた時に、ラインの着信がけたたましく鳴った。 母親からのものだった。 珍しいと思った。 母親とは、基本的には文字少しにスタンプ多めのやりとりがほとんどだったから。 「悪い、電話出てくる」 「えー早く戻ってきてね」 「ナオくんいないと、盛り上がらないんだからね」 その声を振り払うかのように、俺は母親に折り返した。 そこで聞いた内容は、俺を一瞬で凍り付かせるのに十分だった。 「琴莉ちゃん、あんたに会いに行って事故に遭ったって聞いたけど、あんたは大丈夫!?」 どういうことだ? 俺に会いに行ったって? 事故に遭ったったって? どういうことだ?
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