2.バレンタインの悲劇

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それから、俺は母親から衝撃の事実を聞いた。 昨日、琴莉の母親が俺の連絡先を聞いてきたこと。 その理由は、琴莉から聞かれたから。 「佐川さんから事故の話を聞いた時、琴莉ちゃんのスマホにナオ宛のメッセージが残されてたって言うから、てっきり一緒に事故にあったんじゃないかって、気が気じゃなかったわよ」 「悪い、1度電話切るわ」 俺は、急いでスマホでラインを確認する。 友だちのところに、琴莉らしき人間の形跡はない。 でも、スマホどころかITに疎い母親が嘘をつくとは到底思えない。 俺は急いで自分のラインアプリを探した。 どこだ。 どこにいる。 琴莉……!? そうして、探して探して、ようやくわかったこと。 確実なのは、俺は何も操作をしていない。 もし、俺が琴莉の連絡を目にしたら……今度こそ何を犠牲にしても駆けつけてやるつもりだった。 琴莉が俺を求めてくれるなら、ば。 それなのに、どうしてだ。 琴莉らしきアカウントが、勝手にブロックに入れられている。 もちろん、メッセージの受け取った形跡はない。 ……何が起きたんだ? 一体琴莉は、俺に何のメッセージを送ったんだ!?
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