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兄弟で迎える5度目の夏。大海は9歳、直哉は6歳になっていた。
正月とこの時期、兄弟の家には一族が大勢集まり賑やかになる。大海は従兄弟達と連日遊べるこの夏休みを毎年楽しみにしていたが、直哉は浮かない気持ちで親戚一同を迎えていた。
「あらー!なお君、また大きくなったわね!あんなにちっちゃくて可愛かったのに。もうどっちがお兄ちゃんか分からないわね?」
「なお君はやっぱ義姉さん似なんだろうな。うちは爺ちゃんも父さんも小さかったし、俺や兄さんも。ひろ君だってそうだ。みんな小柄なのに突然ポッと。こんな事もあるんだな?」
「ひろ君のお下がりじゃきかないだろうし、毎回両方揃えるの大変でしょ?これ、うちの子がずいぶん前に着てたのなんだけど、良かったら着せてやって?」
こうなるから、直哉は嫌なのだった。
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