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僕ははじめて屋上に立った。
2月の終わり。
東校舎4階 立ち入り禁止の屋上
大量の地蔵とひとつの社
真っ青に突き抜けるような青空
僕は今最大の問題に立ち向かっている!!
「死とはどういうものなのか」
僕はこれから実験をしてみようと思う!!!
靴を脱いでフェンスを乗り越えて123で前に飛ぶ
たったこれだけが実験方法
簡単な実験だ。
1.2.3
僕は飛び出した
さっきまで吹いていた少し暖かくて気持ち良い風は
氷のように僕の顔に突き刺さる
2階まで落ちてきた時僕は後ろからの気配を感じた
それはものすごい勢いで僕を追いかけてくる
僕は不思議に思って振り向くとそれは僕がさっき屋上に置いてきた靴だった
僕はその瞬間自分の致命的なミスに気がついた
靴は僕に追いついて背中に乗っかった
もうすぐ地面だ
ドサッ
頭蓋が割れた
首が折れた
身体中の骨が砕け気が飛ぶほどの痛みが稲妻のように駆け巡る
周りには真っ赤な花が咲いた彼岸花のような僕の花
実験成功だ
やっと知ることができるんだ
そんなことを思いながら僕は目を閉じた
次に目を開けるとそこは天国でも地獄でもなかった
目の前には子供がいた。それも沢山いた。
そのうちの一人が僕の口に瓢箪から水を注いでいた。
その水は水道水のような味ではなくもはや水と言えるかも怪しい味がした。しかし、僕はこれを遠い昔に飲んだことがあるそう確信するようなものだった。
子供は、瓢箪が空になると僕の目を無理やり閉じてきた。
僕の意識はまた消えた。
また、目を開ける時が来た。
僕は、理解が出来なかった。
眼に映るのはガーネットのような夕日に照らされた僕がつくった血溜まりだった
「生きてる?」
僕は生きていた。背中に靴を乗せたまま。
割れたはずの頭蓋も折れたはずの首も砕けた骨も全て全て元通りだ。
「実験失敗じゃないか」
そして僕はとぼとぼと家に帰った
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