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――それはあの日夜会で告げられた言葉と同じだったけれど、彼が孤児だったと知った今、さらに重く心に響いてくる。
それは決して私を想ってだけの言葉ではない。私を助けたいという思いだけからの言葉ではない。
彼はただ、彼の願いの為に――。
けれど、だからこそ信じられると思った。
私とルイスの利害は一致している。それはただの親切心と言われるよりも、何十倍も信用に値する。
――それならば、もう一度だけ頑張ってみよう。もう一度だけ……エヴァンとぶつかってみよう。
自分を応援してくれる人がいる。それならば……と。
アナベルはそう、一人密かに心に決めた。
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