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「おっ、マッチ結構残ってるぞ。これだけあれば途中で火が消えても平気だな」
「うん。にしてもこのマッチ新しいね。全然しけってないし」
「そうか? 普通だろ?」
キッチンで無事マッチを発見した二人は、ギルに渡されたランプに灯りをともす。そしてそれを頼りに、廊下へ出ようとドアノブに手をかけた。
するとそのとき、エヴァンがあることに気づく。扉に何か文字が書いてあるようだ。
「待ってサム。開けないで。ここ、何か書いてあるよ、見て」
「――ん? 本当だな、落書きか? へったくそな字だな。……えーっと、『汝の勇気を証明したくば、屋根裏部屋にて銀の皿を見つけよ』――なんだこれ」
「“銀の皿”? ――というかこのやたら大振りな文字、どこかで見たことある気がしない?」
「……大振り? 筆跡ってことか? ……、あっ」
二人は顔を見合わせる。このメッセージが誰からのものかわかったのだろう。
彼らは状況を把握できないアナベルをよそに、クスクスと笑い始めた。
「あいつ……やってくれるな。なんも知らねーふりしてさ」
「うん……いやでも面白いよ。これだからやめられないんだよね。彼らと付き合うの」
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