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エヴァンが右手を差し出せば、ミシェルはわっと泣き出した。
そんな彼女の身体を抱き寄せて、あやすように抱きしめる。
「大丈夫、大丈夫だから」
ミシェルの頭を優しく撫でてながら、エヴァンは繰り返す。
大丈夫だよ……と。
すると、嗚咽混じりに言葉を絞り出すミシェル。
『……エヴァン、わたし……マリーを殺してしまったの。わたしのせいで……マリーは死んでしまったの』
「うん」
『わたしが……かくれんぼしようなんて言ったから……』
「……うん」
『わたしが言ったの……見つけるまで出てきちゃだめよって……。……そしたら……だから……っ』
「…………」
抱きしめたミシェルの身体を通して、エヴァンの頭にミシェルの記憶が流れ込む。
*
その日はミシェルの七歳の誕生日で、使用人総出でパーティーの準備に追われていた。
準備が整うまでの間、ミシェルとマリーは部屋で遊んでいるように言われた。
二人はいつものように遊び始めた。本を読み、絵を描いて、一緒に歌を歌った。その後、部屋でかくれんぼをすることにした。
じゃんけんで鬼を決める。鬼になったミシェルは言った。
「わたしが見つけるまで、出てきちゃだめよ」
――その一言が、マリーの命を奪ってしまうとは思わずに。
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