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「これまたしてやられたな」
そう言いながらタバコをふかしながら治療をしているドクターは、物珍しそうにしている。
ちなみに今回は大怪我ではないので、解剖やらなんやらされる心配はない。
開口一番「なんだ、大怪我じゃないのか」と目に見えて落胆してたのは知らないふりだ。
「にしても、干からびてなかったのか」
そう言ってドクターはセンに目を向ける。
「ドクターもレイちゃんとおんなじこと言う!干からびてんじゃなくて省エネなんデスゥ」
センはと言うと、ドクターからもらったらしいサンドウィッチを食べながら口を尖らせている。
「まあ、この後もう出るんだろう?しっかり準備しろよ。道中干からびないよう、な」
「っは!そうだよ!干からびたら大変だから行かないことにしよう、そうしよう!!」
「大丈夫だよ、セン。縛り付けてでも連れていくから」
「…え」
「腹くくるんだな」
「…味方がいないっ!」
「よしっ終わったぞ」
大した傷はなかったようで、レイはほっと息をついた。
「おいセン!」
「ぅわっ」
ドクターはセンに何かを投げつける。それはフード付きマントのようだ。
「それで日差しくらいは遮れる」
新しいタバコに火をつけるドクターに、センは抱きつく勢いだ。
「ーーありがとぉぉ!!でも行きたくないものは行きたくないよぉ…」
「「むり」」
「即答…」
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