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Ⅱ
就職活動の準備として参加した一週間のインターンシップで、私は今の私への限界を感じることとなった。
きっかけは私の無愛想な態度。むっつりしていたのには理由があって、一緒に参加した「一生働きたくない」が口癖の飲みサー友達が、人が変ったように真面目にインターン生をやっていたのが原因だ。てっきりいつものだるそうな雰囲気で参加するのかと思いきや、彼女は媚売りのためにお願いを聞いて欲しい子どもかとつっこみたくなるほど従順だった。一方の私は彼女と自分の差に息苦しさを覚えて言いつけられた業務へのやる気が起きず、愛想など振りまく余裕もなく参加していた。
そんな私に二日後、ついに社員の一人が「やる気あるの?」と咎めを下した。適当に選んだんだからやる気なんてあるわけないしと内心反抗しながらも、表向きに私は「すいません」と頭を下げてそれからは何とか明るくしようとした。
迫り来る就活のために少しでも社会を覗こうという気の利いたキャンペーンに参加しただけのただの未熟な学生に苛立たせられる社員も不憫だなと後で思った。けど「勉強しろ」ってお受験のために尻叩かれながら個性まで奪われて、ようやく自由になったと思ったつかの間習ったこともない社会という得体の知れない檻の中に放りこまれるこっちの身にもなってほしい。と思ったけどあの人たちもこれを経験したんだなって思うともうこの嫌な感情をどこにぶつけていいか分からない。
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