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コンニャクを食んでみる。少し熱い。はふはふしながら噛む。もぐもぐ。そういえば、今週大腸の内視鏡検査があって、四日前には繊維質のものは食べないようにと言われていることを思い出した。思い出して、顔を上げると、おっちゃんはおしぼりか何かで手をふき、串に何かを指していた。僕は皿の上に少し辛子をのせ、少し残りのコンニャクの上に乗せてからもう一口した。はふはふした。
「トイレ」と、僕は言った。
「お手洗いでございますか? 申し訳ございません。近くにコンビニがございますので」とおっちゃんはこちらをみた。
そうでなくて、おじさんはこうやってひとりで屋台を出しているのだけれども、トイレってどうするのだろうという疑問が浮かんできたのだ。
「あ、はい、そうですね。たしかに、ええ、でもちゃんと、時間を区切っているので、問題はありません」
と、おっちゃんは答えた。
僕はよくわからなかったけれども、追求するのはめんどうだったので、はんぺんをかじることにした。白はんぺんよりも、黒はんぺんが好き。あ、つくねだ。と、忘れていた自分の注文を思い出した。
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