夜の帳が下りる頃

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 その刺激はあまりに一瞬で、それでも義兄が本気で抱こうとしてくれているのが分かった。嬉しいのに少し怖くて、自信はないけれど受け入れたいとも思って。 「え、まっ、っ、なに……やだ!」  背中が床に付いて見下ろされる体勢に変わり、下肢に近付く義兄のくちびるに嫌でもこれからの事を想像出来てしまう。明るい部屋でソコに近付かれる羞恥は想像を絶するもので、割り開かれた足の間に義兄の顔がぴたりと付いた。  体を少し起こして膝の上にある涼義兄さんの手に自分のを重ねる。 「やだ、そんなことっ、しないで」  顔を上げた涼義兄さんは内ももに頬を寄せ、大好きな切れ長の目はつっと上がって困惑した俺を映す。 「大丈夫、力抜いてて」  握られたモノが力を込めて扱かれて、顔が見えなくなるとお尻の割れ目に吐息を感じて目を瞑った。  自分でも見たことのないソコを義兄に暴かれるのは屈辱的で、でも何の躊躇いもなく伸ばされた舌が後孔に触れて焦れた感覚が走っていく。  わざとらしく厭らしい音を立てて舐められると体を起こしていられなくなって、冷たい床に背中を付け腕で目を覆う。 「あ……ああ……」  声を我慢しても口を開けば出てしまう。その度に義兄は内ももの筋や二つの膨らみに舌を這わせ、拒否したいのにお腹の底から湧き出る熱情に狂ってしまう気がして怖くなる。  足の爪先にまで感じる快感が体をビクッと痙攣させ、強い刺激に声が漏れると濡れそぼる後孔に指がちゅぷりと挿入された。 「ああ……ッ、」 「和希、力抜いて」  どうやって力を抜けばいいのか分からなかった。でもまた扱かれると意識は気持ち良さに集中してしまい、呼吸を吐き出すと指は少し深くなってまた息が詰まるを繰り返す。  生温かい口内に自分のモノが咥えられ、追い立てられるようにくちびるに挟み込まれると、もう身体はドロドロになっていた。  何度も繰り返される快感の渦に呑み込まれて、気付けば大胆に足を広げて全部丸見えになっている。  前立腺の刺激に喉を剥き出しにして喘いで、下肢が自分のものじゃないみたいに力が入らない。 「和希…….昔話をしようか」 「んん……あっ、あ、ん」  言葉は聞こえるのに返事なんて出来なくて、指が何本挿入されているのかも分からない。  涼義兄さんがお腹にキスをして肋骨の上に舌を這わせ、グチュグチュと体内をいいように掻き混ぜながら胸の突起を口に含んで転がす。 「和希が俺を好きだって、ずっと気付いてたよ」 「んぁっ、あぁ!」  その声は溺れている俺の耳にもしっかり届いていた。
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